ハムスターを飼うにあたり「噛まれたらどうしよう」と不安に思う方、または「いきなり噛んできた」と驚いてしまったかたはたくさんいらっしゃるかと思います。ハムスターがなぜ噛むのか、理由はちゃんとあるのでまずはその理由を理解しましょう。
ハムスターはなぜ人間を噛むのか?この理由がわかれば対処するための近道になるかと思います。
この記事では以下のポイントについて解説しています。
手を噛む理由は?
噛まれないための対処法は?
ハムスターの性格を理解する
ハムスターは警戒心が強い、臆病な性格をしています。安心してもらうには「飼い主さんが敵ではない」ということを理解させる必要がありますが、焦らずに少しづつ距離を縮めて信頼を気づいていくことが大切です。時間をかけてハムスターに自分が安心できる存在だと理解してもらうことが、仲良くできる近道です。慣れるまで根気よく愛情を注いであげてください。噛まれた際にたたいたり、攻撃すると飼い主のことを怖がってしまうのでしないようにしましょう。ハムスターは積極的に相手を攻撃しようとはしない動物なので、安心できれば噛まなくなる可能性はあります。
手を噛む理由は?
1‐1.餌と勘違いしてしまった
ハムスターは視力がよくありません。味覚と嗅覚を使って餌を判断をしています。そのため餌を手渡ししようとしている飼い主さんの手ごと噛んでしまうことがあります。飼い始めの初期や、飼い主さんにまだ慣れていない警戒心が強い時に間違って噛んでしまうことが多いです。「餌が欲しいけど飼い主さんがまだ怖い」という恐怖心があり、急いで餌を取ろうとした結果噛んでしまいます。また手に餌のにおいがついていると餌と勘違いしてしまうケースもあります。
1-2.動物性タンパク質が不足している
ストレスを与えたわけでもないのに手を噛まれるのは、「動物性タンパク質」が不足しているのかもしれません。野生のハムスターは主に昆虫などを食べ、「動物性タンパク質」を摂取していますが、飼育下のハムスターが動物性たんぱく質が不足すると動物の肉を食べようとする本能があります。生まれてから数か月の子供のハムスターは特にその傾向が出やすいです。その場合の対処としては、ミルワーム(昆虫の幼虫)などを与えてください。ミルワームは餌として乾燥したものが売られていますので、近くのペットショップやホームセンターなどで売られていないか確認してみてください。
1-3.好奇心で噛んでしまう
ハムスターは臆病ですが、好奇心が強いという相反する性格も持っています。ハムスターは口で確認するため、目の前にあるものを何でも噛んでしまう習性があります。かじることで食べ物なのかを確認しています。食べ物ではないとわかったら、以降は噛んでこなくなります。
1-4.突然触られて驚いた
ハムスターは突然触れられた場合や、予想外な触り方をされた場合に非常に驚きます。身の危険を感じると、逃げる・隠れる・鳴く・フリーズするといった行動をとります。それができない状況下で、とっさに嚙みついてしまったという可能性があります。見えない位置から触られる、上からかぶせるように手を出した際などに驚いて飼い主さんの手を噛んでしまうことがあります。この場合は甘噛みではなく血が出るほど強く噛んでくる可能性が高いです。
1-5.妊娠中
メスのハムスターは発情期や妊娠中といった繁殖期に気性が荒くなる傾向があります。人間よりもオスのハムスターを噛むことが多いのですが、飼い主さんの手からオスのハムスターのにおいがする場合に噛んでしまうことがあります。もちろん一時的に人間のにおいに敏感になる個体もいます。
1-6.飼い主への意思表示
ハムスターが甘噛みをしてくるときには、飼い主さんに何かを伝えるために噛むことがあります。「お腹がすいた」「ご飯が欲しい」「手から降ろしてほしい」といったようなメッセージを伝えようとしています。手に慣れているハムスターが飼い主さんの手をぺろぺろと舐めたあとに甘噛みすることがあります。これは「甘えさせてほしい」という愛情表現の一つと言われています。少し痛いかもしれませんが許してあげましょう。
噛まれないための対処法は?
2-1.そっとしておく
ハムスターが飼い主さんにまだ慣れていない場合や怖がっている様子がある場合はそっとしておいてあげましょう。出血しない程度の甘噛みであれば噛ませることで、自分が危害を与える存在ではないことをハムスターに理解してもらうこともできます。飼い始めたばかりの時は特に早く仲良くなりたいという気持ちがつよく、触ったり撫でたいしたいと思いますが、信頼関係を構築できるまでは、ハムスターに触れすぎないよう心掛けてください。そのかわり、ハムスターは優しい声を好むため、お家にお迎えしたらしばらくの間は優しく話しかけると安心します。
お家に来てからしばらく経ち飼い主さんに慣れた後でも、ハムスターの状態をよく観察しましょう。ハムスターが自分から近寄って来なかったり、構われたくなさそうにしている際にはそっとしておいたほうが無難です。ケージに手を差し出しても無反応である場合は、ハムスターの気分が乗っていない時が多いです。
2-2驚かせない
「そっとしておく」ことができてもそのあとにハムスターを驚かせたり、恐怖を与えてしまったりしては、噛むことを繰り返してしまいます。特に強く噛まれた場合は、飼い主さんに原因がある可能性が多いです。噛まれる直前に恐怖心をあおるような行動をとってしまったことが起因しているかもしれません。よくあるパターンとしては、ハムスターを真上からつかもうとしたり、急に手をだしたりして噛まれるパターンです。怖がってしまうためハムスターが自分から手に乗るまで待ちましょう。
2-3.手のにおいを消す(手を洗う)
ハムスターは嗅覚が優れておりにおいで餌の判断を行います。調理を行い、食品に触れた後など、手に食品のにおいが残っているときには、ハムスターが誤って餌だと勘違いして手を噛むかもしれません。食品のにおいを消してからハムスターに触れ合うために手を洗いましょう。手洗いで噛まれる可能性を低くできます。
2-3.成長期にたんぱく質を与える
ハムスターの成長期は生後6か月間程度ですが、この期間に動物性たんぱく質が不足してしまうと、噛みやすいハムスターになりやすいといわれています。おやつとして3日~1週間に1回、チーズやミルワーム等の動物性たんぱく質の高い食品を与えることをおすすめします。ハムスターの餌としてキューブ状のチーズや豆腐、ちりまんじゃこ、乾燥ミルワームが売られています。
2-4.ケージ内にかじり木を用意する
ハムスターは興味本位、またはストレスがたまったときに目の前のものをかじる習性があります。また歯が伸び続けるため、歯を削る目的もあります。かじるものがないとストレスが溜まってしまうため、ケージ内にかじり木や、木でできた噛むことのできるハウスを設置することをおすすめします。
2-5.世話をする順番を見直す
手のにおいを消すことにも通じますが、ほかの動物を飼育している場合や性別の違うハムスターを飼育している場合にその匂いが手について噛んでしまう場合があります。妊娠中のメスのハムスターはオスのハムスターを噛む傾向があります。そのような場合は、飼い主さんの手にオスのハムスターのにおいがついていない状態で接してください。世話をする順番をメスのハムスターからするように順番を見直しましょう。また妊娠中のメスのハムスターにストレスを与えてしまうと、生まれてきた子供を食べてしまう原因となります。この時期のハムスターには必要以上に接しないようにしましょう。
まとめ
ここまでハムスターが人間の手を噛んでしまう原因についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。ハムスターが噛んできて困っている飼い主さんの参考になればうれしいです。ハムスターの体調や安全に配慮をして、ストレスの少ない快適な飼育環境を作ってあげましょう。
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